中川財務相をハメたのは財務省なのか

先のG7で中川昭一財務相が酩酊して会談に臨んだとの事で、一部マスゴミから批判が高まり、辞任となりました。確かにG7をG20と称したり、呼ばれてもいないのに白川日銀総裁を遮って話し出したり、白河総裁のコップを取ろうとしたり(http: //www.iza.ne.jp/news/newsarticle/business/222400/slideshow/154158/)していましたが、当日は酒は飲んでいない、風邪を引いていていつもの倍クスリをきめていた、という本人の言葉を信じれば、財務相という激務、しかも僅か二日間の強行軍というスケジュールを考えれば、自己責任などと言って些細な事で過剰に他人を責めるのは酷というものでしょう。
日本人は死ねば全ての人間は仏になるという平和と友愛に満ちた民族であり、いつまでも中川氏の失敗を執拗に追究するのは日本人らしい行動ではありません。他人の不幸をあげつらい批判する日本人らしくないその姿勢は、まるで自社さの議員が首班指名した村山首相が、ナポリの先進国首脳会議に出席した際に腹痛と下痢を起こして倒れたことを鬼の首を取ったかのように喜んでいた反政府勢力のようなおぞましさです。
例によって一部のマスゴミは、

「中川氏は日ロ会談でももうろう状態 「頭のスイッチが切れたようだった」」
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/222981/

などと揶揄したり、

「酒で国まで滅ぼさないで」街の声 中川財務相辞意表明で
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/222981/

などと、国民の意見とやらを強調する有り様です。
確かに中川氏の発言は訂正に訂正を重ねており、

「会見前飲んでない」中川財務相が釈明
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/222547
「前日のパーティーでワインを飲んだが、記者会見の前には飲まなかった。ただ、ワインが増幅して結果的にそういうふうになったのかもしれない」

中川氏の昼食会に読売女性記者 同行官僚が明かす
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/224031/
中川氏はローマ滞在中の14日、G7昼食会を中座し、ホテルに戻ってあらためて昼食会を開いた。「大臣がワインを頼み、レストラン側が『このボトルでいいですか』と言い、大臣が『それでいい』と言った」「(中川氏は)口を付けた程度の飲み方しかしていなかった」

といったようにブレがありますが、クスリで頭ふらふらの状態で会談や発表に臨んでいたのですから、やむを得ないでしょう。まさか北方領土分割返還などの「新たな独創的で型にはまらないアプローチ」(http: //www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/223500/)とかを約していた訳でもないでしょうし、その後のバチカン観光は風邪を引いている人間とは思えないハイな姿勢を見せており、中川氏の健康状態は全く問題ないと言えましょう。

中川氏、柵越え美術品に触る バチカン博物館で
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/224333/

むしろ今回の件で非難されるべきは、美人記者と酒飲んで他国の美術館で柵を越えて美術品を触りまくった中川氏や、それを冷酷に切り捨てた麻生首相よりも、それを看過した周囲の官僚やマスゴミを糾弾すべきでしょう。
いやしくも国際会議に臨んだ日本の顔がへべれけに酔っていたら、必ず気がつくものです。過去に中川氏は新幹線の中で失禁した、経産相時代に酒臭いのを注意した村上誠一郎に殴りかかった、閣議に酒臭い状況で遅れて来て小泉首相に怒鳴られた、スペイン国王を迎えた天皇陛下主催の晩餐会で悪酔いして東宮大夫に「皇太子様と話させろ」と絡んで断られて「宮内庁の馬鹿野郎」と叫んだ、帯広の道路開通式でテープの前で酔ったままへたり込んだ、といった微笑ましい武勇伝が語り伝えられており、いつも通り酔っているからいつも通り大丈夫などと判断したのかもしれませんが、言動ではなく、ただ中川氏の顔色によって察してもらいたかったのです。例えば政治家が間違った行動を取ろうとした場合に、新聞記者たちが相手が会見場に行かないようにピケを張るなどの実力阻止を行うことを、国辱を防ぐ為ならば、国民は支持するでしょう。
また、過去の中川氏の経済政策面での実績も素晴らしいものであり、今回もIMFに最大1000億ドルを融資する他、日中韓通貨スワップを大幅に拡大し、東アジアの経済的な連携を緊密にした実績は、親韓派の麻生首相にも欠かせない才能であったと思われます。

ネットでは中川氏は米国の保護主義を非難するなど、反米的な発言を繰り返している為に財務省にハメられたのだという説もありますが、仮にそれが真実とすれば、我が国の根幹を為す日米同盟の堅持を揺るがすものであり、それは本来中川氏への誤解を解き、擁護すべき自公連立政権が、

与謝野財務相、中川氏辞任は「当然」
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/224289/
中川財務相が辞任「首相から慰留の言葉はなかった」
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/223006

などと見捨てたのも得心がいきます。
自由主義国家の一員として、今後日本は米国の要望を聞き、軍事活動を人的にも経済的にも支え、その為にも増税を行って米国債を以前にもまして購入して換金せずに抱え、対等な未来志向の日米関係を築いていかなければなりません。
それにひびを入れようとした中川氏は、日米同盟堅持の為、海の墓標となるのもやむを得なかったのかもしれません。